産業廃棄物の種類や処理方法について理解し正しい方法で廃棄しましょう!
産業廃棄物の処理は難しそう、手間がかかるから適当に捨ててしまいたいと考える人もいるかもしれません。しかし、正しい方法で廃棄しなければ、産業廃棄物の排出者も罰せられる可能性があります。正しく廃棄することで自分の身を守りつつ、環境保護に努めましょう。
産業廃棄物の種類とは
産業廃棄物は一般家庭から出るゴミとはことなり、大量排出されていたり経済活動によって排出されていたりするものです。経済活動によって排出されているものなので、排出量が一般家庭と比べて多く、処理に困ることも多いでしょう。大量に排出されるということは排出後の処理やバイオ面での配慮も重要です。例えば一般家庭が排出する生ごみと飲食店が排出する生ごみでは、比べるまでもなく排出量に差が出るでしょう。
産業廃棄物の中には、感染症の原因になってしまうものや毒性を持っているものもあるため、取り扱いに注意しなければなりません。感染症の原因になる可能性がある者や毒性があり危険なものは、特別管理産業廃棄物に定められています。
全業種共通として12種、特定業種として8種に分けられます。
全業種共通
- ・燃え殻
- ・ガラスくず
- ・金属くず
- ・ゴムくず
- ・汚泥
- ・廃酸
- ・廃油
- ・がれき類
- ・鉱さい
- ・ばいじん
- ・廃プラスチック類
- ・廃アルカリ
全業種共通のものは、幅広い業種が扱いかつ排出量が多いものです。
特定業種
- ・木くず
- ・紙くず
- ・繊維くず
- ・動植物性残さ
- ・動物の死体
- ・動物のふん尿
- ・動物系固形不要物
- ・コンクリートなど産業廃棄物を1度処理して他19項目に該当しないもの
業種によって排出量が大きく異なり、専門業種では排出量はかなり多くなります。
特別管理産業廃棄物
- ・廃水銀など
- ・廃石綿など
- ・廃油
- ・廃酸や廃アルカリ
- ・廃PCB
- ・有害産業廃棄物
- ・感染症産業廃棄物
- ・PCB汚染物
- ・PCB処理物
これら9種は毒性や感染症の可能性を持っていることから、人々の生活や環境に被害を与える可能性があるため、特別に分けられています。
イメージしやすい例として、医療器具の一種でもある「注射針」があります。注射器は人の血液などが付着していることから、そのまま廃棄することはできません。これは感染症予防の観点から定められています。医療器具として利用されることが多いため主に病院などの医療機関から廃棄されますが、介護現場などでも廃棄される場合があります。
産業廃棄物の処分方法
産業廃棄物の処分方法は、大まかに4ステップに分けられます。
分別・保管
産業廃棄物と大きくまとめても、実際に廃棄するときは分別しなければなりません。廃棄したいものは生ごみなのか、金属くずなのか、それとも燃え殻なのか、特別管理産業廃棄物の廃油なのか、見極めて正しく分別することが重要です。もし分別に悩む、種別が分からない場合は混合廃棄物としてまとめて保管、管理しましょう。
また、分別してから次のステップ「収集・運搬」までに時間がある場合は、廃棄物処理法で定められているように保管しなければなりません。
収集・運搬
産業廃棄物の収集や運搬は、いつでも誰でもできるわけではありません。収集や運搬には都道府県の許可が必須となるため、思い付きで収集や運搬はできません。
運搬途中に隣接都道府県に入る場合や最終目的地が別の都道府県の場合、関係するすべての都道府県に許可申請をしなければならないため、手間や時間がかかります。
もし途中で積み替えが必要な場合も、対策が必要です。廃棄物処理法で定められている項目では、周囲を囲うことや飛散しない対策を講じることについて決められています。
中間処理
中間処理と聞くとイメージが湧きにくいかもしれませんが、再生処理や最終処理前の準備と考えてみましょう。無害化と呼ばれる有害物質のない状態にしたり、安定化と呼ばれる中和状態に持って行く作業をしたりと、重要な過程です。
この中間処理のおかげで最終処理や再生処理しやすくなり、埋め立てなどを減らすことにつながっています。
再生処理・最終処分
再生処理はリサイクル、最終処分は埋め立てを指しています。
リサイクルは元の性質を次の製品に生かす方法や分解して原材料にするものなどさまざまです。
最終処分の埋め立ては、土に埋めるイメージが強いかもしれませんが海に投棄する方法もあります。いずれにしても大量に埋め立てることは将来性やバイオ面を考えても難しく、できるだけ再生処理したり中間処理によって最終処分を減らしたりする工夫が必要です。
生ごみなど産業廃棄物を排出するときは環境やバイオに配慮しよう
産業廃棄物の処理は申請が必要であったり廃棄物処理法で定められている手順や対策を守ったり、多くのルールが存在します。これらのルールを理解し、場合によっては関係する都道府県への申請手続きも必要です。
分別や保管など手間に感じることも多くあるように感じますが、実際は環境や人々の生活を考慮するうえで廃棄方法はかなり大切です。産業廃棄物の処分は廃棄物処理法に定められた方法で、正しく処分しましょう。
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